今春父親が他界し遺品の整理をおこなう必要に迫られ、大量の ”切手コレクション” の処理を託された。
話によると、父親が幼少のころから(昭和20年代あたり)小遣いをためて日々集め続けていたものらしくその量、分厚いファイルが25冊、段ボールで3箱もあった。この存在は知っていたが中身を見たことは無く、タイムスリップする想いでファイルを開けてみた。
切手はほとんどが外国のもので、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東、北中南米、オセアニア、地域ごと国ごとにキレイに分けられており、几帳面だった父親の性格そのままで、大切にコレクションしていた想いを改めて感じ偲ぶことができるが、1冊のファイルに500枚の切手と見積もって×25冊、その数およそ1万2500枚・・・よくもまぁこれだけの量を集めたなと。。感心した。
よく見ると、清、満州国や中華民国、ユーゴスラビアなど、今の地図上には存在しない国の発行切手も多い。そして、アフリカ各国、東欧、中南米、南極など、ほとんど全ての国の切手がありそうで、その半数は未使用だ。。アメリカ統治時代の琉球切手(セント表示)や、日本が南アジアを統治していた戦時下の軍事切手のようなものもあり(フィリッピンユービンと表記)これって凄い価値あるじゃないの?と思わせるコレクションだ。
私の目にとまった切手を3つご紹介させていただきたい。いずれも絶対に今は発行されていないものであり、歴史を感じるものです。
① 中華人民共和国発行 当時の開国記念切手と一周年記念切手
② ドイツ発行 ヒトラー切手とミュンヘンオリンピック記念切手
③ サンマリノ共和国発行 世界で初めて発行されたディズニー切手
日本で初めて発行された竜門切手や、イギリスで1840年代に発行されたペニー・レッドと呼ばれるレア切手など、他にもまだまだご紹介したいレアキャラがありました。
インターネットで切手の価値を調査してみると、日本以外では、特に中国、イギリスの古い切手は価値があるものとされ、中にはオークションで数千万、億の価値がついたものもあるようだ。
ただ昭和30年代~50年代の切手収集ブームも過ぎ、今ではホントのごく一部の(発行部数の少ない)プレミア切手でない限り、元々の券面が数円程度なので一般的には数千、数百円レベルになれば御の字というものだった。
残念ながら今回ご紹介した①②③も、プレミアついても数千円といった感じでガッカリしたものの、素人の私が目にとめることのできない真のプレミア切手も中にはあるのではないか?とCMでよく目にする買い取り専門店でも切手の買い取りをしてもらえるので出張査定を頼んだみた。すると
「土曜日の16時にご自宅に訪問でどうか?」と打診を受けた。。1万枚以上と伝えたのにも関わらず。。。
いやいや、16時からで1万枚以上鑑定できる訳ないでしょ。
する気もないんでしょ。パーッと見て、「まるっと全部で5千円」「他に貴金属とかありませんか?」となりそうな予感がプンプンするのでと出張査定は思いとどまることにした。
次は駅前の買い取り専門店へ直接持ち込みを試みた。
店頭で主だった切手ファイルを開き、「これはきっと価値あるはず!!」と熱くアピール、店員も「いやぁ、ここまでのコレクションは見たことがないですよ」とまんざらではない様子。「ご希望の買い取り価格は?」と聞かれ、無理を承知で「100万円以上なら」と答え、失笑をかってしまった。結果は、お話ししたくもない金額、やはり父親の長年大切に集めたコレクションを数千円と言われても売るに売れない。こちらにも意地がある。ナチス政権下の未使用切手なんて、二束三文で売れるはずもない。。。
今もダンボール3箱は自宅に積んだまま、当分保管するしかない。。と割りきりつつあるが、故人が趣味で大切に集めたもの。。これってなかなか厄介で。。
自分はしっかりと身辺整理して、最後子供には迷惑かけないようにしないとね。
と改めて思う出来事でした。
著者:吉岡 謙(AIG損害保険株式会社)
掲載日:2026年05月22日