早いもので今年ももう12月。来たる年は十二支の「馬年」を迎えます。
馬は、古来より力強さ、速さ、そしてどこまでも駆け抜ける粘り強さの象徴とされてきました。その力強い足取りは、目標に向かってひたむきに努力する姿、そして困難を乗り越えていく情熱を私たちに思い出させてくれます。
この度、Voiceへの寄稿のお話をいただきました。大きな変化や出来事の少ない日常で、何をテーマにしようか悩んでいたところ、久しぶりに胸が熱くなったことがありました。野球のワールドシリーズです。
普段、野球はあまり見ないのですが、たまたま週末の度に、大谷選手や山本選手といった日本人選手が登板することもあり、コーヒーを片手に何気なくテレビをつけて見ていたところ、気づけば夢中になっていました。
特に、終盤の6戦、7戦の山本由伸投手の連投には、本当に胸が熱くなりました。あの気迫、あの粘り強さ、チームを勝利に導くために投げ続ける彼の献身的な姿には、久しぶりに感動を覚えました。
彼の姿勢には、改めて「プロってこういうことなんだな」と感じさせられました。与えられた役割を全力で果たす。時には自分の限界を超える挑戦もあるかもしれない、でも、その積み重ねがチームの勝利につながる。
仕事にも通じるものがありますね。お客さまを支えるために、地味な作業でもコツコツ積み重ねていく。派手さはなくても、一つひとつの仕事を丁寧にこなす、それが最終的な「感動」につながっていくのだと思います。
そして、山本投手の活躍を見て感じたのは、チームの大切さ。どんなに優れた選手でも、一人では勝てません。仲間を信じ、互いを支え合ってこそ結果が出る。私たちの職場でも、きっと同じことが言えるのでしょう。
冒頭にも書きましたが、来年の干支は「馬」。
どんな道でも、止まらずに一歩ずつ進んでいく。そんな姿に、山本投手のピッチングスタイルが重なりました。彼もまた、プレッシャーの中で立ち止まらず、自分を信じて投げ続けた結果、世界の頂点に立ちました。
私たちも来年は、馬のようにしなやかに、そして力強く走り続けたいものです。
スピードだけでなく、時には立ち止まって風を感じながら、自分のペースで前へ進む。
そんな柔らかさも大事にしつつ、一年を駆け抜けていけたらと思います。
日常に大きなニュースはなくても、こうして誰かの頑張りから元気をもらえるのは幸せなこと。来年も心に少しの“勢い”を携えて、仕事も人生も前向きに楽しんでいきたいと思います。
著者:平川 純(損害保険ジャパン株式会社)
掲載日:2025年12月04日