現在私は、「株式会社gotcha(ガッチャ)」の代表として、訪日外国人旅行者向けに体験型ツアーやホテル・バス・ガイド等の地上手配を行う、
DMC(Destination Management Company)事業を運営しております。海外の旅行会社様と連携し、日本の魅力を世界中に届けることを使命
として日々活動しております。
去る2025年6月30日、東京・品川にて『Tabinaka Summit 2025(旅中サミット)』を開催いたしました。今回が初のリアル開催でしたが、
• 会場参加者数:254名
• オンライン申込者数:652名
• 登壇者数:34名
• 協賛企業数:8社
• ボランティアスタッフ:20名超
と、のべ約1,000名が関わる大規模イベントとなり、インバウンド業界の新たな熱気を感じる機会となりました。
特筆すべきはその参加者層で、20代~40代の若手プレイヤーが中心を占め、従来の「業界の重鎮」的存在はほとんど見受けられませんでした。
まるで、1985年のプラザ合意以降に海外旅行が急増し、多くの旅行会社が創業と挑戦を繰り返した、あの熱気を彷彿とさせる場でありました。
現在、訪日体験型ツアーの分野は、世界的にも「OTA(オンライントラベルエージェント)最後の激戦区」とされ、
• KLOOK
• Viator(Tripadvisor傘下)
• GetYourGuide
• KKday
• Airbnb Experiences
といった「世界5強」がしのぎを削る舞台となっています。
日本国内でも、スタートアップを中心に新たなプレイヤーが次々と参入しており、私たちgotchaも「海外旅行会社からの受注によるDMC事業」と
「OTA上での体験販売」というハイブリッド型モデルで、この変革期に挑戦を続けています。
たとえば弊社で販売している「上野アメ横グルメホッピングツアー」は、外国人のお客様から非常に好評をいただいている人気体験のひとつです。
内容は以下の通りです:
• 上野駅近くの寿司屋にて、寿司3貫でスタート
• 餃子1人前、焼き鳥2本、コロッケ立ち食い
• スイーツ店を2箇所巡り
• 最後はすき焼き定食またはラーメンで締め
全7店舗をめぐる構成となっており、観光客だけではなかなかたどり着けないような地元のグルメスポットを楽しめる工夫を凝らしています。
ツアー中は、アメ横から御徒町までを歩きながら、日本人の生活風景を感じていただけるようガイドしております。
インバウンド観光は、今や日本の国益を支える重要な産業の一つです。
2023年には訪日外国人旅行消費額が8兆円を突破し、今後13兆円に達すれば、自動車輸出の貿易黒字と並ぶ規模になるとも言われています。
観光はまさに国家プロジェクトであり、私は「観光こそが平和を生む産業である」と強く信じています。
このような社会的意義ある事業に関わることができることに、喜びと責任を感じつつ、私自身にとって、過去いろいろとありましたが、
「最後の仕事」として、国に貢献し、日本の旅行業界の未来に寄与できるよう尽力してまいります。
もちろん道のりは平坦ではありません。日々課題と向き合い、創意工夫を重ねながら、一歩一歩前進しております。それでも、私たちの挑戦の
積み重ねが、次世代の観光産業の礎になると信じています。
そして何より、私たちがいまこの挑戦を続けられるのは、先輩方が長年にわたって築いてこられた日本の旅行業界という豊かな土壌があるからこそです。
その積み重ねに、深い敬意と感謝を込めて、私たちは新たな芽を育て、次の時代にしっかりとバトンをつないでいきたいと願っております。
未来を見据え、変化を恐れず、新しい価値を生み出していく——
そのような思いを胸に、今後とも取り組みを続けてまいります。
引き続き、変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
著者:高山 泰仁(株式会社gotcha)
掲載日:2025年07月25日