弊社は海外旅行FIT専門店として設立、今年で26年目を迎えます。
設立時はちょうどバブルが崩壊した時期で、法人も、個人も効率的な移動手段としてのエアー手配やエアーの組み合わせの需要がありました。
そんな事からCoordinates of Air Network Inc.という英文名称を考え、それぞれの頭文字を取って、出来るという意味を持たせ「CANツアー」を
営業名としました。当時は英文での法人登録ができなかった為、(株)シイ、エイ、エヌ、を会社名といたしました。CANという名称は、
バブル崩壊という時代性の中、ポジテイブな存在でありたく思い、望めばお客様側も、事業者側もなんでもできると自分自身もお客様をも
鼓舞したかったのです。何でもできるというチャレンジ精神は今でも変わりません。
弊社の取り扱い業務の大部分はエアオンで、個人、法人問わず創業以来、実に沢山の方の世界中の旅を手配させていただいてきました。
創業当時、エアーに関する情報が少ない時代、自由旅を望むお客様はなかなかツワモノぞろいで、お客様の現地での行動を伺う度にお客様の
人生を垣間見、旅にかける思いに感激、尊敬しました。エアオン商品はただの移動手段提供にしかすぎないのですが、「自分の旅が実現できた。」と
お客様には、感謝され、礼状やお土産までも頂いたりとなんと素敵な職業かと思ったものでした。
弊社の主流商品であるエアオンは、IT技術の発展によりにすっかり環境が変わり、以前はエアオンは旅行会社しか扱えない商品としてマーケットに
おいて優位性がありましたが、IIT運賃の導入に伴いGIT運賃が廃止になりエアオンマーケットは旅行会社の手から離れてしまい、航空会社の直販か、
OTAのものとなってしまいました。
旅行会社側としては、どんなに経験を生かしてお客様のニーズに見合うものを手配できたとしても、意味をなさず、航空会社のからのIATA
コミッションがほぼなくなったため純然たるフィービジネスになりました。プロパーからはコミッションがないばかりでなく、商品を扱う業者
としての待遇も期待できない。エアオンビジネスを続けるのであれば付加価値をどう見出すのかが今の弊社のテーマとなってきています。
とはいえ、エアオン手配が長いことは、ツアー造成などにも優位に働く事は間違いありませんので、このエアオンの知識を生かしどう差別化を
図るのかが課題です。
人の人生と旅は共存。旅は余暇産業ではなく、必然産業としての地位を担っていく必要があると考えます。弊社では人の誕生から婚約、結婚、
終活や遺骨散布までもすべてを商品群として考えています。アニバーサリーツアーならCANツアーと言ってもらえるFITの専門店としてお客様と
共に歩みたいと思っています。
お客様の旅の理想を実現させるために旅行会社があるわけで、人の想いを知ることでその価値を創造していくアナログの世界を大切にするしか
ないと考えています。コミュニケーションの強化と商品研究は必須です。
アウトバウンドであろうとインバウンドであろうと、必要な移動手段、ホテル、オプショナル、レンタカー、鉄道手配、イベント参加の手続き
など旅の色々なパーツ手配が必要。お客様の旅の理想型を求めて様々な手配をしてくわけです。テーマが増えると専門性に欠けて来て、商品を
とがらせることができないのは注意点、専門性に欠けると感じたら、その業態の専門家の助けもいただきながら旅の完成形を求めていきます。
何でも屋でありながらもポリシーを持ち、受け身ではいけないと考えています。
最近は旅行会社らしいコンテンツも考えるようになりました。
また、CANらしいインバウンドとして、医療ツーリズムにも挑戦しています。
長めの滞在、広いマンションタイプの様なホテル需要、医療機関への交通の便等、邦人の国内旅行とは違うニーズがあります。長期滞在のホテルは、
コロナの頃帰国者の滞在ホテルを手配する事で知ったことだったり、日本国内のハイヤー、タクシー手配に関してもコロナの頃手掛けて広がった
業者間のネットワーク。振り返ってみるとすべてが血となり肉となっています。
やってみて初めて分かる事、気づく事、そんなことを考えながらよりお客様に必要とされる旅行会社をめざして精進していこうと思っている、毎日です。
著者:勅使河原 晃子(株式会社シイ・エイ・エヌ)
掲載日:2024年05月22日