Voice 旅の準備
例年よりも少し早い梅雨が明け、想定通りの真夏日が続く7月に、心に活力を取り戻すことを目的に久しぶりに連続休暇を取って1週間の国内旅行に出かけようと思い立ちました。
この2年半の間で三密回避、マスク着用、除菌、外食自粛、ワクチン接種とその副反応、在宅勤務、休業などコロナ禍の生活リズムが妙に板についてしまいました。かつてない規則正しい生活に反して、不確実で先の見えない業界の現実に、心の底から晴れ渡るような、すがすがしい気持ちをすっかり忘れてしまっているように思います。

さて、どんな旅行をしてみようか。予定する8月に向けて準備が始まりました。旅行のテーマを考えるうちに、マンネリ化した生活に刺激を得られる旅行をしてみたいと思い、まずは一人で出かけることを決めました(家族の了解に感謝)。それもコロナ禍で密を避ける移動手段やレジャーとして人気を浴びているバイクでの一人旅。還暦を過ぎた身には、ちょっとした冒険であると考えただけでもわくわく、ドキドキします。
さて、どこへ行こうか。1人で出かけるときは、「旅行」ではなく「旅」と呼んだほうが素敵だなと思いながら、接角出かけるならば国内バイクツーリングの聖地ともいえる北海道にしよう、北海道ならば大自然の中で、これまたブームのキャンプをしてみよう。温泉につかり、焚火を眺めながら地元の食材と地酒で一杯やりたい。練っては変えて、繰り返しエスカレートする旅の創造は、既に1ヶ月に及ぶ充実した時間を提供してくれています。仕事柄、旅行計画は日々あることですが、あらためて自分だけの旅を計画することになると自分の我儘が溢れてきりがありません。まさに「旅に出かけるまでも旅の楽しさである」を体感しています。 

その止め処もない好奇心を繋ぐ原因の一つは、ご存知の通り莫大な旅情報がいつでも手に入るインターネットの進化によることが挙げられます。自分が創造する旅の実現に向けて欲しい情報に瞬時にたどり着く、一つ一つの情報を集めることに相当の時間を要していた自分の現場時代には考えられないことです。当然これは誰にでも与えられた環境で、お客様が情報に長けているのは至極当たり前のこと、そのお客様に一層満足していただける旅行を提案、実現することが私たちの使命だな、と現実に身が引き締まる思いです。

さて、創造を超えて実際に旅立つ日が近づいてきました。改めて思うことは、旅の創造は人に活力を与えるということ。旅をイメージした時に起こる「わくわく・ドキドキ感」で、既に心のリフレッシュが始まっていることを久しぶりに体感しました。そして、一人一人のお客様のわくわく・ドキドキするいろいろな思いを実現に導けるよう、改めて丁寧に仕事に向き合っていきたいと思います。


今回の旅を準備する際、ネット検索で偶然出会った小学館大辞泉が主催する「あなたの言葉を辞書に載せよう。2015」キャンペーンの「旅」への投稿から選ばれた優秀作品を読んで「なるほどなあ」と感じるものをそのまま抜粋して掲載させていただきます

【旅】とは
・心に栄養をくれるもの。 みみさん
・行く時はうきうき、帰ってきた時はくたくた、でもまたわくわくしてくるもの。  kouheiさん
・日頃の自分とは違う、心の奥底に眠っている自分を思う存分解放させてあげる時間。 ぷくさん
・不足している何かを求め行動すること。何かとは旅によって異なり、それが意外なものである場合や、見つからないことなどもある。 Kamekoさん
・異邦人の舌。海外旅行中など日本を遠く離れると、日本食が恋しくなったり、特別に美味しいと感じること。  ひのもとさん
・本当の自分なるものを見つけるためではなく、自分が変わっていけることに気づくためなされる試行錯誤。 パスキュラさん
・普段の生活とは異なる環境に身を置き、人と出会い、その土地特有の空気に触れることによって、新しい価値観や視点を得ることができ、これまでの自分を振り返り、これからの自分への活力となるきっかけを与えてくれるもの。  daisukeさん

著者:松本 光俊(ビッグホリデー株式会社) 

掲載日:2022年08月16日