Voice ブライトンの奇跡と添乗
2020年秋  
コロナ渦で 弊社(私)は トラベル懇話会へ入会したばかり
まだ(今もですが)先行きの見えない時代に入った心境で
参加した はじめての定例会でした
横に 同席させていただいた 社長と ラグビーワールドカップの話題で
つい 盛り上がってしまいました

『スポーツと音楽はいつの時代も人々に夢と希望を与える重要なアイテムである
即ち人々の生活を豊かに出来る、限りない力が秘められている。 
我々は 間違えなくこれらを後世へと引き継いでいく責任がある』
エーペックスインターナショナル株式会社 高井社長 から 頂いた
言葉です  

ラグビー精神を象徴する言葉として   
ONE FOR ALL ALL FOR ONE
1人はみんなのために  みんなは一人のために
まさに 日本人のマインドと 合致するのである

1999 年 ウエールズ大会
2003年 オーストラリア 大会
2007年 フランス 大会
2011年 ニュージーランド 大会
2015年 イングランド 大会
2019年 日本大会
2023年 フランス大会

弊社が OTA/SUB OTAとして  携わってきた 
ラグビーワールドカップのヒストリーである
1999年 観戦ツアー を 販売した頃は マスコミ メディアも
日本で取り上げることが少なかった時代

私も いわゆる にわかであって 国内で試合を観に行ったことも
ありませんでした

ジャパンラグビーの
潮目が 変わった この2大会は 
非常に私の心にのこっています


一つは 2011年 ニュージーランド 大会 
2011年2月22日 クライストチャーチでの大地震     
日本には オールブラックス出身の選手や監督が 日本ラグビー界で 活躍していた経緯もあり
ニュージーランドは日本ラグビーの師匠のような 存在でもあり  
当時は多くの義捐金が集まりました  
そして 同年 3月11日 東日本大震災   
当時 釜石チームのニュージーランド出身の主将は 家族だけを東京へ送り 同国出身のコーチ達と被災地に残り  
復旧作業を手伝うため 離れた現場へ向かったそうです その時に 『釜石に恩返しがしたいと』話したそうです
人と人のご縁  国同士の ご縁   親切にすれば 恩返しがやってくる  
世界の絆が深まった 時でもありました  
そして 
4年後の 2015年 イングランド 大会 
添乗として というか 実は ラグビーの試合を
生で観戦すること自体 初めての体験で、
ジャパン(当時 ランキング13位)の初戦は ブライトン コミュニティースタジアム で   
強豪 南アフリカ(ランキング 3位)  
なかなか 観戦ツアーの販売も 絶好調とは  いえない状態のまま
気分も上がらず 停滞した心持で
ブライトンへ 
ロンドン ビクトリア駅から 列車で ガドウイック空港行に乗り込み
偶然 横に座った 
日本人紳士 が 某商社のイスタンブール支店長
『休暇を取ってイギリスへ来ました 高校からずっとラグビーを。  』
『今日は 厳しい試合になりそうだな』  
などと にわかの私は ラガーマン紳士のラグビー談義を ふんふん
聞いているだけでした  
(オッズは南アフリカの1倍元返しに対して 日本はなんと34倍です)
同行した お客様からも 『(勝利は』ちょっと難しいかな 』の声ちらほら
そんな ムードのなか
国歌斉唱 が はじまった と同時に サポーターの皆さんは  ほぼ 涙 涙 、、 
え、まだ 始まったばかりの国歌斉唱で? たしかに 異国の土地で聞く 国歌は 格別な感慨深いものがあるのです 

パワーかつ若干ラフプレー で来る 南アフリカ に対して 細かく ペナルティーをとっては 五郎丸選手の フリーキックで
追いつき 追い越され の シーソーゲーム が続きました 

そしてあの 歓喜の瞬間が ロスタイムにやってきます
 『スクラム組もうぜ 宣戦布告!』 
某放送局 アナウンサーのこの時生まれた 名言ですよね
 
ちょうど目の前で ヘスケス選手の 逆転トライの瞬間を見ることができました 
そのトライのあとは 騒然となり 記憶も定かではないのですが 
横で一緒に観戦していた 別の添乗のスタッフ(もまた にわかで) 
と お互い顔を見合して 
『もしかして 我々  すごい瞬間にここにいるってこと?』 
となんとも 素人以下の会話をしていましたことだけは 憶えています

ここでまた 驚いたのは NO SIDEの 精神です
試合が終わったら 勝った 負けたは 置いておいて
お互い 褒め合う 激励しあう   

いままで 海外でサッカーのクラブチーム同士の試合観戦はしたことがありました
特に 同じ街のダービーMATCH などは  罵倒しあう 、お互いの欠点を攻撃しあう
そのサポーター同士のやりとりがまた サッカーの楽しみ 面白みにも なっていました。 

ラグビーは そうじゃない  バスへ向かう  南アフリカサポーターから は ハイタッチ  
激励の言葉が  四方八方から 浴びせられ
関係者でもない たんなる にわか が
にこにこしながら 南アフリカサポーター^へ  『ありがとう THANK YOU 』の 連発    
夕方ロンドン へ 戻り お客様も皆さんも(私も) 歓喜を分かち合いたい 雰囲気だったので
『ホテルのバーで1杯 いきましょうか?』とお誘いすると 皆さん 待ってましたと ばかり
『いきましょう!!』 の二つ返事  ちょうど メニューに チェリーブラッサムという カクテルを
お客様が 見つけて 『今日はやはり 桜で いきましょう』と楽しく飲んだことを憶えています

そうだ あの ブライトンで 試合を見る前の  
落ち込んだ 心の停滞ムード 
は なんだったんだ と思わせる
エデイージャパンの 成し遂げた 偉業に比べたら 
私の悩みなんぞ ちっぽけ
というか 
スコーンと何かつかえていたものが  
突き抜けた すがすがしい こころの状態
なんともいえない心地よさでした 
そのことは  強く記憶しています

スポーツ観戦 ツアー(エンタメや 音楽鑑賞ツアーも) というものは  
人を感動させ
泣かせ 
やきもき させ 
心地よくもさせ   
負けた時は 落ち込ませ
つまり 
われわれ 旅行業界人にしか 演出できない 
唯一の マジック(魔法 )のようなもの 
では ないでしょうか?

2023年  
大一番 9月17日 フランス ニース 
ジャパンx イングランド 
2015年のジャパンと2023年のイングランド  
監督が 一緒 という いわば
エディージョーンズ 対決 も 
目が離せません


今現在 第七波が きておりますが  世界の出口は 本当に もう少しです
もうちょっとです 今年も半分終わりましたが のこり半年から来年
がんばっていきましょう 。
スポーツの持つ限りない可能性を これからも
信じ続けたいと 思うのであります 

著者:北條 雅章(株式会社 ジェイワールドトラベル)

掲載日:2022年07月14日