Voice 心の通うコミュニケーションを行うには?
コロナ禍で大きく変わったことに在宅勤務の定着があります。入社以来、定時に会社に出勤することが当たり前で何の疑問も抱いていませんでしたが、今では在宅勤務が当たり前のように行われています。そのため、私自身も代理店さんや社員間での打ち合わせはZOOMやTeamsといったWeb会議の頻度が高くなっています。
また、出席者が多いWeb会議など、通信の負荷を軽減させる目的で参加者(聞く側)は画面をOFFにしているケースが多く、話し手は必然的に相手の顔が一切見えない真っ暗な画面に話しかけることとなります。
対面であれば、自分の話に「この人は理解しているな」「この人はどうも納得していないな」など、相手の目や表情を見ながら判断することができますが、相手の反応が一切わからない状況で話をすることほど不安なことはありません。
そのため、私はWeb会議では表情を見ながら議論をすることにしていますが、やはり対面と比較して温度感や空気感など伝わる度合いが決定的に違うと感じながら、こればっかりは仕方がないのかと考えていました。
コロナ禍がもう2年以上も経過し、コミュニケーションの在り方が一気に変わりオンラインでの対話はもはや当たり前で必要不可欠なツールとして定着しています。
そんな時にたまたまある記事を読んで私は驚愕しました。
その記事によると、対面の会話とオンラインの会話での脳の反応を比較したところ、対面では脳の周波数で同期現象がみられるがオンラインでは一切見られない、つまりオンラインでコミュニケーションを取っているつもりでいても、脳はそのように認識しておらず、相手とは共感状態にない、相手と心がつながっていないというようなことが記されていました。
こんな時だからこそと、頻繁にオンラインを活用して意思疎通を図ってきたつもりでいましたが、一番肝心な感情の共感が実はできていないと科学的に言われてしまうとさすがにショックを受けました。そうだからといって、コロナ以前のようにコミュニケ―ション手段がほぼ対面に戻るということもないだろうと推測されます。
そうであるとするならば、情報共有はオンラインを活用し、本当に重要な議論は対面で実施するなど、ハイブリットなコミュニケーションが行えるような状況設定や環境作りが本当に重要になってくると思っています。
一方で、いくら技術が発達しても、心の通った人と人とのコミュニケーションは、やはりよく言うところの「膝詰め」にはかなわないということをヒシヒシと感じるこの頃です。

著者:伝田 敏樹(ジェイアイ傷害火災保険株式会社)

掲載日:2022年04月14日