Voice 創業者の想い
はじめまして、イオンコンパスの城と申します。19年の3月に前任の社長が突如グループに異動となり、社長となりました。その後1年も立たないうちに、前代未聞の危機に襲われるとは想像もしておりませんでした。
当社は、旧社名は「ジャスベル」であり、1971年に創業、2021年には50周年のお祝いをする予定でした。
当然それどころではなく、今後の事業をどう転換していくべきかを考え抜く2年でもありました。過去にも繰り返された危機を、先輩方はどのように乗り越えてきたのかと考えながら、改めて創業時の社是を見直しました。
少し長くなりますが、共有をさせていただきます。

「旅行業を通じ地域社会の文化と豊かな暮らしに貢献しよう」のことばを筆頭に、以下の記載があります。
当社は旅行業が社会的事業であることを自覚し、役員・従業員が一致団結して、社会の発展を通じ、社会、経済、生活、文化の向上に貢献することを目的とする。事業は構成員の知識、努力、責任感、経験、資質と適正な方針に基づく効果的な組織活用の所産である。私たちは積極的に自己育成を行い、技能の涵養に努め、近代的産業人の役割を遂行し、もって流通機能近代化を図り、トラベルインダストリーの確立に寄与しなければなりません。
私たちは合理主義に徹し、より多くの消費者のニーズに答えるため、全国的に営業展開を行います。職場においては、明朗、はつらつとした気風を維持し、相ともに新設、清潔、根性の精神をもって、栄ある信用を汚すことなく、ますます発展していかなければなりません。

当社の初代社長は、現在のイオンの岡田名誉会長であることから、小売業的な発想が感じられますが、海外旅行が自由化された後、この業界は一気に拡大することを想像し、旅行会社を作ったようです。「コンパスは50年もたっても全く成長しとらん!」と私自身少なくとも2回は名誉会長にお叱りを受けました。

直近の7~8年は法人営業を強化し、旅行事業から業務範囲を広げて、MICEやプロモーションにチャレンジしてきました。
しかし、改めて創業者が社是に込めた力強い想いを実現できているのかと考えた時に、もう一度正面から旅行業に向き合って勝負してみようという気持ちになり、この社是に背中を押してもらった気がしています。

旅行はどんな時代においても、どんなにデジタル化が進んでも、変わらない価値を私たちにもたらしてくれるものであり、そこに関われたことに感謝しながら、創業者の想いに答えられるように邁進してまいりたいと思います。皆様のご指導よろしくお願いします。

著者:城 友美(イオンコンパス株式会社)

掲載日:2021年12月24日