Voice ハワイホテル今昔物語
パシフィックリゾートがASTON HOTEL&RESORTSの日本地区販売総代理店として設立されたのは36年前の1985年12月でした
日本はバブル経済の絶頂期でハワイは団体旅行から個人旅行に変化する時代を迎えていました
キッチン、洗濯機、乾燥機のある滞在型のホテルコンドミニアムは家族旅行客のニーズに合った宿泊施設として注目を浴びはじめました
ハワイのカジュアルなにホスピタリティマインド“アロハスピリッツ”は訪れる日本人観光客に新鮮な感動を与えました
ASTON HOTEL&RESORTSは当時ハワイ四島に26のホテルコンドミニアムを運営しており、オーナーは当時48歳フランス系アメリカ人のANDORE STEVEN TATEBUET氏です
彼の家族は太平洋戦争が勃発する前は上海で貿易関係の仕事をしていたようですが戦火を逃れてハワイに移住し、ホノルルで小さなアパートメンホテの運営から出発してハワイトップクラスのローカルホテルオペレーターに成長しました
1990年に日本経済はバブルが崩壊し失われた20年の時代に入っていきます。
ハワイのホテル産業界にも米本土の投資ファンド、大手ホテルグループが進出し投資効率選好の現代的な経営スタイルに変化していきます
ホテルの経営陣は、メインランドの有名大学を卒業した上級社員が経営の中枢を担い、グローバルスタンダードの名のもとに画一化されたマーケティング手法が浸透していきます
併せてITテクノロジーの急速な進歩の中で、エクスペディア、プライスライン等のOTAが存在感を増す中で、デジタルマーケティングの手法がホテルにとって必要不可欠のものになりました
その結果、各ホテルは自社サイトからの販売に注力し“最安値販価格”を設定してダイレクトマーケティングに傾注していきます
コロナ影響のなかで2年間が経過し、日本とハワイの観光旅行はいまだに再開されていません
このような状況の中でホテルのマーケティングはグローバルスタンダードから国別のマーケティングを重視する方向を模索し始めました
日本人のハワイ渡航者数は2019年度155万人,(前年度4,3%UP)USメイランドに次いで第2位の実績です
旅行マナーが良く滞在間中の消費金額の高い日本人観光客はホテルにとって重要な顧客です
英語をそのまま翻訳したグローバルスタンダードのホテルのオフィシャルサイトは日本人の感性に即したもとは言えません
日本人旅行客が必要するホテル情報、観光情報を発信できる内容に変更し改善する動きがはじまっています
併せてSNSの活用により日本人観光客は簡単に多様なハワイ情報が入手可能となり、快適に行動半径の広い充実した内容の旅行が楽しめるようになりました
一日も早くコロナが終息しまた快適な海外旅行が復活することを心より祈念いたしております

著者:島田 恭輔(株式会社パシフィックリゾート)

掲載日:2021年12月02日