Voice 問い続けるは、己の進化
今年で9.11の事件から20年が経ち、先週末事件の瞬間の映像が映し出され、改めて事件が世界に与えた影響の大きさを実感する。この事件が業界に大きな影響を及ぼしたことは言うまでもない。20年前の9月11日に某旅行会社のイベントに業界の多くの人たちが参加していた。私もその中の一人であった。夜遅く家に帰り、テレビのニュース番組を観て驚愕した。まさかこんな事が起こるなんて。2003年にはSARS流行により、またしても業界は大きな打撃を受けた。グループの予約が次々にキャンセルされていった。日本人渡航者数においては9.11以上の減少であった。そして今回のCOVID-19。2020年から1年半以上に渡り過去にない大きな影響を受け、現在も続いている。いつまで続くか誰にも予測がつかず、先を見通せない状況下にある。海外旅行が今までのように出来るようになるまでにはまだいくつかのハードルがあるのは十分承知している。しかし、必ず旅行需要は戻ってくることは確かである。100%の回復は2023年、24年とも言われているが、その時な必ず来る。

 私は外資企業の勤務が長かったためか、先が保証されていなかったので、自分が60歳の時にはこうありたい、であれば45歳、50歳、55歳までにはこうしなければと自分なりに目標を立てる癖がついている。その年齢までの途中で新たな目標が出来た時には、それらを追加した。もちろん遊びの分野も含めてである。さもなければ窒息してしまう。私は現在61歳、60歳までに達成できた目標もあるが、未達成のものも多くあるので65歳までに達成期限を先延ばした。
今回のCOVID-19により、やむを得ず廃業を決めた会社や断腸の思いで人員削減をした会社も多いと思う。大変厳しい状況下であるが、好きな仕事ができていることに本当に感謝している。海外のみを取り扱っている弊社にとっては、海外旅行が戻ってこないことには売上が改善されず、厳しい状況にあるのは言うまでもない。色々新しいことをトライしようと思っているが、そう簡単なことではない。今ほど仕事以外で時間が取れる時はもう二度とない。シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんに高校時代の恩師が、“何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く”と言葉を送ったことは広く知られている。先日、NHKスペシャルで治療が最も困難とされるすい臓がんと闘い続けている世界的外科医中尾昭公先生に密着の番組「問い続けるは己の進化」を観た。73歳にして、今日より明日すい臓がんの手術を上手にしたいと常に自分を進化させる努力を怠らない。プロフェッショナルとは“高度な知識と技術を持ち合わせていることは絶対に必要。そしてその職業に情熱と愛情がなければだめ。尚且つ持続して出来ること。” と。常に前を向いて現状に甘えることなく、自分を進化させることの重要性を改めて感じさせられた。経営者は何かと忙しいが、自分で時間を作り、今しかできないこの時に、自分を進化させるための時間にしたい。社員1人1人もそのために時間を有効に使ってくれれば、やがて大きな花を咲かせることができるに違いない。最後に、ご存じの方も大勢いらっしゃると思いますが、私の大好きな相田みつを氏の『道』を紹介させていただきます。



長い人生にはなあ どんなに避けようとしても
どうしても通らなければならぬ
道というものがあるんだな
そんなときはその道を黙って歩くことだな
愚痴や弱音を吐かないでな
黙って歩くんだよ ただ黙って 涙なんか見せちゃダメだぜ
そしてなあ そのときなんだよ
人間としてのいのちの根がふかくなるのは

著者:菊地 司 (株式会社ジェイバ)

掲載日:2021年09月21日