日本選手団が過去最多のメダルを獲得したオリンピックに続き、8月24日からパラリンピックが始まりました。各国選手団や要人の皆さまをお迎えするにあたり、細心の注意を払いながら接遇にあたっています。コロナ感染者が拡大する中でも、最高のパフォーマンスを見せてくれているアスリートに勇気をもらいながら、人々が集う本当の価値を考えさせられる日々です。
コロナ禍におけるホテル業は、過酷な状況が続いておりますが、各ホテル様々な取り組みで新たな需要を生み出そうとしています。帝国ホテルでも、バイキングレストランで密にならぬようタブレット端末を利用したオーダーバイキング形式の導入や、長期滞在・セカンドオフィス需要に対応したサービスアパートメント事業などを提供しています。コロナが終息した後のマーケットおいては、ホテルのご利用方法が大きく変化すると予測しています。宴会場の大人数立食パーティースタイルの需要減少、レストランの席数抑制継続、オンラインを中心としたホテルショップの需要拡大などに対して、様々なアイディアを出し合い、従来の業態にこだわらず、時代の要請に応えたサービスの提供が必要となってきます。
先の見通せない状況が続いてはおりますが、先日、旗艦ホテルとなる東京の建て替え計画の決定を発表いたしました。2024年に着工し、最終的に全館が完成するのは2036年予定となる長期の大プロジェクトです。建て替えプロジェクトには、20代後半から30代半ばの社員が中心になっていて、次の世代のためのホテルを、若手社員に考えてもらっています。コロナ禍で暗いニュースが多い中で社内外に前向きなニュースを発信できました。
「集う、その力を信じている」
これは2020年11月3日の開業記念日に掲載した130周年新聞広告のメッセージです。人々の「集う」ことは本能的欲求であり、社会生活を営む上で必要不可欠なことだと思います。人は集まることで幸せを感じ、楽しい時間を共有することを明日への活力として、社会を発展させてきました。コロナ禍によって人が集うことができなくなってしまった今だからこそ、集うことの大切さを見失わず人々の幸せと社会の発展に力を尽くしていきたい、そのためにしっかりと安全・安心対策を施し、お客様をお迎えし続けてまいります。
著者:金尾 幸生(株式会社帝国ホテル)
掲載日:2021年08月25日