オリンピック開幕以前からのコロナ感染急拡大により、コロナ新規感染者が日々最多の報道がされ、一段と今後が見通せない状況ですが、別業種にも携わっている立場から、現在の心境(考えていること)をお伝えしたいと思います。
私は、1982 年に㈱日本旅行にお世話になってから、紆余曲折を経ながらも 2015 年まで旅行関係のみで仕事をして参りましたが、2015 年に縁あって全く畑違いの介護関係の仕事にも関わることになり、現在も㈱ユー・ティ・アイ・ジャパンとの二足のわらじでやっております。
私が関わっているのは横浜にある医療法人と社会福祉法人を束ねるグループ本部で、歯科医院8医院、クリニック1医院、4つの介護施設(老健2:入所者220 名定員、特養2:入居者210 名定員)、職員数550 名を経営管理しています。その中で私の現在の仕事は、人手不足な施設に海外介護人材(自国の看護大学/看護専門学校/看護高専卒業生)を受入れることです。その目的は、2025 年に後期高齢者(75才以上の方々)が2,200 万人以上になり、必要な介護人材253 万人に対し供給される介護人材は215 万人程度と約 38 万人も不足すると予測されている問題の一つの解決策です。2015 年より着手し、旅行業での経験や人脈を活かし現地日本語教育法人設立、日本受入機関設立を経て、現在約 40 人(主にインドネシア)の海外人材が各施設で活躍しています。但し、昨年来のコロナの影響によりインバウンドと同様に来日がストップし、予定した人材が来日できず、施設の人材不足をどう解消するか、日本人だけで解消する方法を当初から考えるべきだった等、本来の目的から近視眼的な問題解決を迫られる状況におかれました。が、コロナによる会社整理などの影響で他業種からの人材流入があり何とか人材が確保できました。また、現地ではコロナ後を見据えた動きとして、日本語力を高め今までの海外人材より来日時のレベルアップさせることと、今後の来日人材の確保増を計っています。
余談ですが、管理職に介護職員に向いてる性格はと聞くと、「ホスピタリティ(思いやり)」「コミュニケーション」「素直な人」「ストレスに強い人」などが並び、旅行業(サービス業)と同じだなと感じます。現場の職員と話しても違和感なく話しが出来き、悩みや相談事をされるのはその証しだと思いますし、旅行と介護は親和性があると感じています。
コロナ禍後の日本は、就労人口減少による海外人材の受入れが避けられない状況です。コロナ前に私が見た介護海外人材の彼らの行動をみると、自国への仕送り以外に、日本各地に旅行したり近場の海外旅行、親・兄弟の日本観光呼び寄せなど行なっていました。これから日本で働いて頂く海外人材も、同様に、来日時から帰国時まで私共旅行業のお客様になり得ると思います。
そのためにも、より多くの優秀な海外人材を受入れるべく他の受入機関とも連携・提携する予定ですので、「二足のわらじ」がしばらく続きそうです。
著者:片桐卓弥(株式会社ユー・ティ・アイ・ジャパン)
掲載日:2021年08月17日