Voice 明けない夜はない
私は同時多発テロ(9・11)以前に米国に駐在していました。当時の米国は本当におおらかで、国内線で移動する時には、フライトのチェックインをする前に空港の車寄せにあるバゲージドロップで大きな荷物を預けることができました。チェックインカウンターには手ぶらでいくことができ、セキュリティチェックもさほど厳しいことはありませんでした。
ノンエスコートのお客様が日本からシアトル経由ロサンゼルスに入るはずだったのに、なぜかシカゴの空港から、「乗り換えの時、間違えて乗ってしまいましたが、どうしたらいいでしょうか?」という電話がたびたびあるぐらい、いい加減なボーディングコントロールに振り回されました。
その後、湾岸戦争でチェックインが幾分厳格になり、セキュリティチェックは綿密になりましたが、やはり9・11の後は段違いにセキュリティが強化されました。徹底的な荷物検査やボディチェック、靴底まで調べる厳格さに驚いたものです。ちなみに9・11当日、私は添乗員としてロサンゼルスに滞在しており、帰国予定当日の驚愕の出来事に奔走されました。幸い、6日後に日系キャリアの支店長の計らいでグループ全員帰国することができたが、帰国時のセキュリティ通過は、列に並んでから2時間以上かかりました。
今は続々と新しい保安検査装置も導入され、ボーディングパスにSSSS制度が導入されてアットランダムに厳格なセキュリティチェックも行われるようになっています。当初は面倒なセキュリティチェックに躊躇した旅行客も多かったと思いますが、いつの間にか慣れて受け入れられるようになりました。
近い将来、海外旅行が全面解禁されるときには、IATAトラベルパスやVeriFLYなどの各種証明書が必要になると思います。取得は面倒ではありますが、お客様も安全安心を担保する上で必要な措置であるとスムーズに受け入れていただけることになるでしょう。
今、この時もマグマだまりのように海外旅行需要は爆発の時を待っています。お客様は安全安心が担保されれば、常に出かけたい、旅行に行きたいというニーズをお持ちです。
湾岸戦争の後も、9・11の後も、終焉から長い時を経ずして海外旅行需要は回復基調に入り、一気に需要が爆発しました。鳥インフルエンザの時もSARSの時もそうでした。国内旅行の需要回復を図っていきつつ、海外旅行が解禁になり、すべての旅行需要が爆発するまでなんとしても歯を食いしばって耐え、光り輝く観光業界、旅行業界を再び甦らそうではありませんか。

著者:瓜生修一(KNT-CTホールディングス㈱)

掲載日:2021年04月08日