2022年にVOICEに書いた山歩き。百低山制覇を目指して3年以上が経過。
ようやく28座をクリア。これまで日帰りや一泊圏内で関東近郊の山々を中心に登ってきたが、近年は埼玉や群馬でも熊の目撃情報が報じられており、気軽に一人で行き難くなってきた。家内からも「一人で言ったらアカン」と釘を刺される。
そんな中で今回は3人の仲間に恵まれ、10月最初の土曜日、栃木県の那須・茶臼岳に登ってきた。茶臼岳は那須連峰の主峰で、標高は1,915m。火山活動でできた山で、日本百低山ではなく、百名山の一つ。このあたりは古くから温泉地としても栄えたところで、1300年の歴史があるとのこと。
今回の行程は、「峠の茶屋登山口」(標高約1,462m)から登りはじめ、峰の茶屋避難小屋を経由して山頂を目指すルート。
朝8時半過ぎにコースに沿って登山開始。山肌のあちこちで紅葉が始まりかけており、秋の訪れを感じる。今月末ごろが紅葉の最盛期だろうか? 道中ところどころで硫黄の匂いが漂い、那須が活火山であることを実感。経由地の峰の茶屋付近は風の通り道になっているようで、かなり風が強い。ここから先は岩場で登りもきつく、かなりしんどい。
登り始めておよそ2時間、ようやく山頂に到着。登りが厳しいだけに達成感もひとしお。
残念ながら天候に恵まれず曇天で強風。展望どころか真っ白で何も見えない。
山頂の気温は10度を切る肌寒さ。登りでかいた汗がすぐに引いて冷えてくる。
長居せずに下山を開始。
途中、登山道を少し外れて林の中を進む。道中所々に熊よけの鐘が設置されており、都度叩きながら約1時間歩いて、もう一つの目的だった「三斗小屋温泉」へ。ここには煙草屋旅館という一軒宿があり、屋外に宿泊しなくても入浴可能な露天風呂がある。入浴できるのは午前10時~13時の間だけ。混浴ですが、11時~12時は女性専用時間となっている。煙草屋という名前ですが全館禁煙。詳細情報はこちら:
https://www.tabakoyaryokan.com/
ここは車では行けず、山を登らなければたどり着けない奥那須の秘湯。
到着したのは正午過ぎで、山中の露天風呂に浸かり、しばし登山の疲れを癒やす。
硫黄の香りが漂う乳白色の湯はアルカリ性単純泉で、温度は43℃前後とちょうど良い。
温泉で温まった後は昼食。バーナーでお湯を沸かしてカップヌードル。最近はこれが定番。
家では食べないが、山で食べると美味い。
90分程滞在後、再び登山道に戻り、約2時間 登って、下って。午後3時半頃、登山口へ無事下山。総距離は約10km、昼食や入浴、休憩も含めて約7時間、自然の厳しさと美しさ、そして温泉の恵みに触れた山旅でした。
著者:橋本 肇(株式会社エヌオーイー)
掲載日:2025年10月17日