Voice 間もなく一年
新年明けましておめでとうございます。

ありきたりな日常が失われてから間もなく1年が過ぎようとしています。

昨年の今頃は中国で変な病気が流行っていて、「広がらなければいいな」「長引いたらいやだな」くらいでぼんやり考えていました。それが一日毎に状況が悪化していき旅行の取消しや延期が相次ぎ、積み上げてきた仕事があっという間に無くなってしまったことは断腸の思いでした。

我々は今までSARSやMERS、鳥インフルエンザなどの感染症に加えてテロなどを経験してきて少なからずこういう事態には慣れていたつもりでしたが、思惑以上の被害の大きさや期間の長さに呆然とするばかりです。

マスクをしないと外出できず、空いた電車で出勤し、街から人がいなくなり、外国人を見かけなくなり、人と会うことも憚られ、経費は途端に使えなくなり、出張と宴会が禁止され、いつもの飲食店は店を閉め、妻との時間が長くなり、どこに行っても手を洗い、テレビの中では恐怖を煽り、陽性者数に一喜一憂し、画面の相手と議論を重ねて画面の相手と飲み交わす、とこれまで経験したことがないことが当たり前になって久しくなりました。

振り返ると良くなったと思う習慣もありますが、今まで無駄だったのかもしれない時間や費用が炙り出されて、今後はもう戻らないかもしれないことが少なからずあると思います。その無駄かもしれないありきたりなことが、どれだけ日常に潤いを与えてきたのかを無くなってから感じるようにもなりました。

心が折れそうになることがたびたび起こり、残念ながら多くの仲間たちが事業の継続を断念するようになり、1年前からは想像も出来なかった事態となっています。ワクチン接種によって終息の兆しが少し見えてきたもののまだまだ油断はできません。今後は大きな市場の変化も予想され、事業計画の変革も余儀なくされると思います。

各社様におかれましても復活する日を信じて様々な助成制度を活用し、必ず凌いでしぶとく生き残っていきましょう。

著者:安藤昌尚(名鉄観光サービス株式会社)

掲載日:2021年01月06日