2025年が明け今年の干支は巳年、60周期の干支の中で「努力を重ね、物事を安定させていく」年という意味を持つ年とされています。
さて、観光産業界はどんな年になるのか、期待を持ちたい。観光産業界の中でも旅行業界には変化が生じていると感じる。
それは2020年からのコロナ感染症の世界的な流行により「失われた3年間」と言われるほどに旅に出る人々の減少は大きな打撃を観光産業界のみならず多くの産業界には打撃となった。
この状況が落ち着き始めた2024年ごろから徐々に回復基調と捉えられては来たが訪日観光客の回復は堅調に伸びたがアウトバウンドのおける邦人の海外旅行は2019年比では75割にすぎない。その要因は円安や訪日観光客の増加による座席の確保の厳しさや運賃の高騰などまだまだ要因はあると考えられるが、では今後の邦人の海外旅行市場に期待が持てないかと言えばそうは思わない。時が経つにつれて人間の考えにも変化が生じ、過去の苦い思いは薄められていくのが一般的な現象に感じる。
もう一つは、人間は元来旅が好きで長い歴史からも読み取れ、邦人の旅は今現在海外より国内を旅したいと
望む人が多く訪日客と相まって盛況であることは事実でしょう。しかし、旅行産業界からすると海外旅行者が増加することが経営に最も大きく貢献し期待をしたいところではあるが、邦人の海外渡航者が増加したとしても必ずしも旅行会社すべてが潤うものでもない。
ご承知の通り若者の海外旅行熱は今一低迷しており、時間に余裕のある高齢者すなわちシニア層の海外への意欲はこれからますます伸びると確信をしていますが、旅の仕方、すなわち旅行会社の企画する募集型企画旅行に関しては企画する事業者の「知恵と工夫」を凝らした商品で個人ではなかなか出来ない旅企画が求められてくる。
一方、最近テレビ広告でも盛んになってきている単品商品、ホテルや航空券など手配を自己の希望により手配をするサイトが増えてきており若い層に浸透してきていることも事実でしょう。または、旅慣れたシニア層でも個人の希望を取り入れサイト(OTA)を利用する人も増えてきている。
さて、そんな中、今後の旅行会社の経営は現状維持で生き残れるかと、と問われれば厳しい状況と答えざるを言えない。
では、生き残るためには先に述べた「知恵と工夫」が必要になる。知恵とは旅を企画するに企画者の発想が重要な要素となり、工夫とはなかなか体験や手配の出来ない企画に努めその企業の企業イメージを蓄積することにより企画に対する旅行者の信頼を得ることが重要なことです。
企画にあたってはどんな旅行者に向けて企画するのか、一定の年齢や品質を定め不特定多数への応募はやめて旅の効果を高めることの必要性を訴える企画商品が収益構造にも利益をもたらすことになる。
しかし、これらの参入企業が多々あるために価格を意識して行うビジネスには薄利多売以外には利益をもたらさない。
では、今後我々旅行業界で生き残るにはその企業の持つイメージを強調出来るかが勝負を決するとことになるのではないでしょうか。
またまだ、「知恵と工夫」を駆使することが残されていると感じている、その為には人材の確保も欠かせなない。
多くの人は旅を楽しむ意欲を持ち、これからも豊かな人生の過ごし方の一つとして旅に出る人がますます増加し、旅に出る要素にはガストロノミニィーや夫婦や仲間との触れ合いをより高めたい思考は否めない。
こらからの企業が如何に消費者の期待に応えていけるかが勝負となるのではないでしょうか。
観光産業界は大いに国家経済に貢献し人の心を豊かにする「心の財産」でもあります。
其れに応えるのは自ずからの生き方を打ち出せるが鍵となると考えます。
著者:古木康太郎(株式会社)グローバルユースビューロー
掲載日:2025年03月06日