本年、10月26日、27日の両日で、JATAと台湾観光庁合同の天燈上げ特別イベントに参加してきました。台湾で人気の観光コンテンツのひとつでもある十分の天燈上げを台湾観光庁の多大なるご支援のもと、特設会場を設け、JATA会員各社が募集した参加者全員で天燈上げをするという幻想的な、今風に言うと「映える」オリジナルイベントで、昨年コロナ明けの台湾への誘客イベントとして実施され、本年で二年目となります。
二日間で約1000名の方々にご参加いただき、初日は好天、二日目は荒天での実施となりました。一瞬、私が雨男なのか、と不安にもなりましたが、実は昨年も、初日が雨、二日目は晴れと、二年連続で雨に降られたイベントのようです。(ほっ。)そもそもこの天燈上げが行われる平渓エリアは雨が多い地域のようで、逆に雨が多いがゆえに、火災のリスクも低いことから天燈を上げることが認められているようです。更には雨の日は湿度が高く天燈がゆっくり上がっていくため、鑑賞できる時間も長くなり、雨の日でも十分に楽しむことができるようです。また、上げた天燈は落下地点が予測され、回収され、再利用されているとのことで、まさにSDG‘Sを実践していると感心いたしました。
とは言え、二日目はしっかりとした雨の中でのイベントでしたので、どうなることかと冷や冷やしましたが、参加された皆さんが大らかだったこともあるのだと思いますが、事前に雨合羽を用意するなど、現地運営スタッフの準備もしっかりとしていたこともあり、それぞれの願い事が書かれた天燈がゆっくりと上昇していく情景を、余韻をもって眺めることができ、天候が良かった初日同様に、雨の二日目もまずまずの反応であったと思っています。
また、イベントのオープニングアトラクションの獅子舞ダンスも、結構これも面白く、楽しませていただきました。二頭の獅子舞が戦いながら相手を威嚇し、だんだん距離を縮め、最後はチューをする。まさにダチョウ倶楽部のコントのようでもあり、上島竜兵氏を思い出し、ひとり笑ってしまいました。(本来の意味は違っていたのかもしれませんが、私にはそのようにしか見えませんでした。)
イベントは昨年に引き続き成功裏に終了しましたが、それには三つの理由があると思っています。一つ目はイベントに対する台湾観光庁の多大なるサポートがあったこと。二つ目は、JATAが音頭を取り、業界として取り組んだイベントであり、観光庁のサポートと相まって募集に対する集客リスクも少なく、各社が取り組みやすかったこと。そして、三つ目は、イベント自体が天燈を上げるという参加型でもあり、かつ、たくさんの天燈が一斉に上がるところを写真や動画に収めることができる鑑賞型でもあり、その両方を楽しむことができるというイベントの特質にもあると思います。
現在、海外旅行はまだまだ回復途上です。今やるべきことは、今回のイベントのように観光協会や業界団体、関係協力機関など、海外旅行に携わるみんなが力を合わせて、その魅力を発信し、「海外旅行に行きたい」という需要をどんどん喚起していくこと。そして、それと並行して、今回のイベントでも研修が組まれましたが、旅行会社で働く人たち自らがどんどん海外旅行に行ってその魅力を体感してくることだと思います。
今回のイベントに際し、台湾観光庁のご支援、並びに携わられた関係各位にも、そのご尽力に心より感謝申し上げたいと思います。これからも台湾の魅力の発信に少しでも寄与できればと思っています。
最後になりますが、天燈上げは天燈に願いを書いて、その天燈を上げると、その願いが叶うということから、私も今回「世の中が平穏で、皆さんが安心して旅ができますように。」という柄にもなく、大きな願いを天燈に乗せて上げさせていただきました。
「旅行」には人を笑顔にする力があります。一方で「争い」は人々から笑顔を奪っていきます。世の中が平穏で旅を通じて多くの人が笑顔になればと切に願います。
著者:大原 浩(株式会社ユナイテッドツアーズ)
掲載日:2024年11月27日