Voice 白ナンバーでもお客様を輸送できる
ご存知の方も多いと思いますが、この度「道路運送法」における許可または登録を要しない運送に関する新たなガイドラインが今年3月に発出されました。
ツアー等のサービス提供事業者が、ツアー参加者を対象に行うサービスに付随した運送には許可または登録を要しないとの事です。例えばダイビング・
シュノーケリング等のマリンスポーツ事業者が、利用者を近隣の駅・バス停・宿泊施設等からツアー実施場所まで運送するなど、利用者を対象に無料
サービスとして行う運送は、許可または登録は不要で、自家用車でもサービスを行えます。

これまでも、災害時の緊急輸送活動や、友人や家族の送迎など、許可または登録を必要としない特例はありましたが、いよいよドライバー不足も深刻となり、
さらなる緩和を進めているようです。必ず提供するサービスに付随しなければいけませんが、今後はいわゆる「白ナンバー」でもお客様の輸送ができます。
有料の場合でも、運送サービスの実費の範囲内であればOK。実費の範囲には、車両償却、車検料、保険料等の車両維持費を含める事も差し支えありません。
もちろん単に目的地への輸送のみの場合は、当然ながら許可または登録が必要です。

そこで、我社でよく企画する「四国八十八ケ所札所巡り」いわゆる「お遍路さん」のガイドさん(先達さん)が自家用車でお客さんを案内することは可能か
どうか、四国運輸局に直接電話で確認しました。回答は「可能」との事。

これが旅行業界に与えるインパクトは未知数ですが、多様な自然環境とアクティビティーの選択肢が非常に高い日本でのアドベンチャーツーリズムに多くの
チャンスを与えるのではと感じています。例えばキャニオニングやパラグライィングなどの少人数を扱う業者にとっては、別途に必ずしも送迎を依頼する
必要がなくなり、よりサービスを提供しやすくなるかもしれません。今後の動向に注視していきたいと考えています。

著者:水野 剛(株式会社ビーエス観光)

掲載日:2024年07月24日