昨年2023年10月に、ある国内中心の観光産業に係る中小事業者ネットワーク連盟様とのご縁があり、千葉県にある女子大の国際学科の授業(正式名称は、国際学科PBLII講演会。国際学科では学外の企業や団体と連携しPBL (Project Based Learning)授業を行っている。)で講師として教壇に立った。 私の掲げた講義内容は“海外のSDG’sの取組み例(主にハワイ)と今後のレスポンシブル・ツーリズムについて” 。ハワイの自然や文化を守り継ぐレスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)の実現を目指すための取り組み、訪問者でもハワイに貢献できる事などを紹介した。
最近の学生は授業にみなタブレット端末をノート代わりに、速記のごとく私の講義内容の「キーワード」を打ち込んで行く。 昭和どっぷりの私は、「?ん?何故に皆、下を向いているのだろう?途中、途中に昭和のギャグなんか入れて”ウケ“を狙ったのが裏目にでたか?」と不安な気持ちで講義を終わらせた。しかし後日、私の講義の一語一句逃さずに彼女達の視点で提出されたレポートを拝読して感動!将来に羽ばたく彼女達を応援したい!
そこで、改めてレスポンシブル・ツーリズムについて考えていきたい。
ハワイはご存じの通り米国最南端の州で世界でも有数のリゾート地。パンデミックが終了した今は世界中から多数の観光客が戻ってきている。 皮肉なことにパンデミックによって、美しい海は更に碧色を増し、心地よい貿易風とコウラウ山脈の深い緑の谷、虹等の美しさのおかげで、それを観光客がまた破壊するのを恐れ、地元ロコからは「価値ある人(責任ある行動が出来る)しか来ないで!」運動が始まっている。これはハワイだけに限らずヨーロッパや世界中がこの流れを踏んでいる昨今になった。
日本はどうだろうか?
今では毎日のように「オーバー・ツーリズム」やインバウンドの観光客のマナーの悪さがニュースで取り上げられている。渋谷の立ち飲み酔っ払いOK説がSNSで話題に。自治体が必死になって止めようとしても限界がある、そして元はといえば、その渋谷立ち飲みSNSには泥酔した若い日本人女性が道路で大の字になって寝ている姿が沢山アップされていて、それから始まったという話もある。 また、コンビニの屋根から見える富士山をSNSにアップするために大渋滞となったかつては静かで平和な町が一変。その他ゴミの山、江ノ電の運行遅延等・・・
「美しいニッポン」や「礼儀正しい日本人」、東京オリンピックの時には「お・も・て・な・し」の国とインバウンドの受け入れを積極的に国は行ってきた。
そろそろ私達も本格的に「レスポンシブル・ツーリズム」についての日本の姿勢を世の中に示しても良い時期が来ているのでは?
特選海鮮丼9,000円を「チープ!チープ!」と言って喜んで食べている外国人観光客の横でラーメン1杯を「高っ!」って大事にすすっている日本人の姿を見ると切なくなる。
私も特選海鮮丼お腹いっぱい食べたい~!
著者:舩岡 千晶(LUANA合同会社)
掲載日:2024年06月26日