Voice Mt. FUJI - KAI70k
  26APR2024(Fri)


昨年初めて参加したときのような高揚感が全くないまま、今日は14時ごろまで仕事をして、JRで新宿へ。

予約していた富士急のバスに乗車、スタートポイントが昨年とは変わり富士北麓公園へ直行バス。



到着後受付を済ます。今年は必携品の検査なし。すんなり終了。

ビブスなどのセットをいただき、着替え及び待機の場所へ。

それからスタートまでの5時間ほど、会場内をウロウロしたり、目の前のFUJIに参戦している選手エイドの状況を見ている。

少しずつだが、テンションがやっと上がってきていたが、これからの為少しでも身体を休めたいので

目をつぶってみてはものの、周りのFUJIの選手への応援などによりやっぱり寝むれない。



コロナの期間中にランニングを始め、ただロードをやってタイムを意識することに抵抗があり

ちょうどNHKのグレートレースを見て、とてもわくわくして始めたトレラン。

とにかくテンションがどんどん上がります。



昨年からの大きな変更は、去年は午前11時スタートだったのが今年は深夜“0時”スタート。

自身初めての深夜スタートという心配と緊張。。。いやほぼ不安。

そうこうしていたら、気が付いたら時計は23時15分。

急いでスタートポイントへ移動。。

そう!今回のスタートポイントは、人生で初めてのスタジアムスタート。ここでなにげにテンション上がる。(笑)

しかし、スタート前に並ぶのが遅れたため、中間から後ろの方に並びスタートを待つ。

参加者800名近くがスタートを待つ。

スタート前の一瞬の静寂はなく、トレラン大会特有のスタート前の大合唱のカウントダウン。

ゼロと同時に身体が前に動きは始める。

スタートから5kちかくまでは少し下ったロード。

まして0時でまわりが暗いため、7分近くでもいい感じでとにかくゆっくり入ろう。

3Kくらいまでいくと意外に今日は身体が軽くいい感じで動く。

ロードの途中で昨年のコースと同じのコースになっている感じがしたが周りが暗いため、見えてない。

ふと手首のガーミンウォッチをみるとキロ5分前後に。まずい、序盤も序盤のスタート直後でこれは早すぎる。

とセーブしようとした時に、前の方に人溜りが出来てきている。 そう一つ目の山が出てきて、渋滞している。

トレランではよくスタート後に山道に入る際に急に登りだったり、登りや下りの階段などがあった場合に起こる行列の状態を渋滞といいます。

ここは木の階段のようだが、一人ずつのシングルトラックになっているため、渋滞になっている状況。

ただここの登りは約500mで7~80mくらいですと、渋滞が始まっている登りの入り口にいたボランティアが言っている。

確かに、上がっていくとすぐに終わり、その後はすぐ走れる下り。綺麗な一列で走るラインが出来て進む。

その後は、若干ロード出たりちょっとした山を上がったりで一つ目の関門地点の忍野到着ここまで約15.8k。

約2時間10分ほど。ん?もしかしたら去年くらいのペース?

水分だけ補給し、すぐにスタート。次の山中湖のエイド(25.8k地点)までは1つ低い山は登るがほぼ長い林道で高低差はそれほどない。



そして山中湖きらら(25.8k)のエイドに到着。あれ?時計を見ると4時間切っている。昨年よりかなり早い。



あれと思ったのは、実は今年はこの4月前半までイタリアや南アフリカへの出張が続き、あまり練習が出来なく、

行く先々でもちろん旅ランはしても、もちろん仕事で訪れているので、そこまで走り込めなかった、

今回の大会に対して、完走できるのか、まさか2連続のリタイアにならないかと心配をしていた。

その上3月の中旬の週末を利用してラン仲間と行った丹沢で転倒。

右手小指及び薬指を脱臼と骨折、そして両指の側副靭帯で断裂。

その影響で3月末の昨年完走したハセツネ30kで人生初完走が出来なかった。

マラソンと違いトレランは山を登ったり下ったりするため、場所により手を使うことがある。

それで前の大会ではギブスをしていた影響もあり、思うように進めず完走が出来なかった。

そんなこともあり、今年はレースで最長14kまで、練習でもケープタウンやフィレンツェ、ミラノで走った旅ランでの最長17kまでしか走れていなかった。

しかし、既に今、春のメインレースであるこの大会で今年の最長を走っている状態だった。

ここまでは順調だが、ここからそう上手くはいかないだろうなぁ~と思いつつ前にすすむ。

それはこのMt.FUJI100のKAIというレースは、この山中湖のエイドを過ぎてからが本当にスタートだからだ。

ここから数キロ走った後、明神山~切通峠~高指山~富士岬平~東海自然歩道に沿ってすすみ、山伏峠~石割山分岐、そして石割山に向かい二十曲峠までの約14kが

微妙に走れる尾根沿いがあり、またこの区間は、3分の1くらいがほぼシングルトラックで追い越し禁止。

それは後ろからあおられ、そして疲れていようがいまいが渋滞を作らないために、登りでは前の人に離されないように。

そして“まだ登りが続くのかぁ~”という現実を逃避するため、ひたすら足元から数メートルをじっと見て、休みたいという気持ちと闘いながら、

脚は悲鳴を上げ始めていても前へ進まないといけないからだ。

私の中では、この70k近いレースで1,2番を争うボス的なエリアだとおもいつつ前にすすんでいた。

そうまだまだ中盤も始まったばかりだが、このコースはラスボスだらけのコースなのだ。

これから挑む杓子山の急登や上に書いた明神山、そしてラスボスと言われる霜山、微妙にその杓子山と霜山をつなぐ4kほどのロード。

そして今回は霜山を下った後、通年は約2kちょっと走り、富士急ハイランドのコニファーフォレストがゴールだが、

今年は霜山下った後、そこから約6k(ボランティアの方が言っていたのでたぶん7キロ以上ある(笑))

疲れ切ったところでのロード6kがどうなのかと。全く知らない道こそラスボスになるのでは、と思っていた。

話を戻し、尾根沿いのトレイルを登ったり下ったりを何十回も繰り返し、やっと河口湖が目の前に開けてきて二十曲峠のエイドに到着。

ホントにきつかったこの区間。しかし昨年はもっと走り切っていた気がするだけに段々と練習不足が顔を出し始めていた。

私のガーミンウォッチを見るとまだ午前8時10分ほど。

それでもスタートから8時間以上経っているのだが、なんと昨年より二十曲峠の到着がまだ10分以上早い!!!

去年は二十曲峠の到着が19時30分くらいですでに暗くなってきて、まわりの人が皆ヘッドライトを点けていたが、

私はまだいけるとハンドライトだけですすみ、このエイドでヘッドライトを準備し、このあとは夜間走行になるため、

トレイルジャケット(防水)を着用するなど、このエイドでは時間をけっこう費やした記憶があった。

今回は、かなり疲れていたがライトを出す心配はない。そしてこれから先は登りがメインになる区間なので間違いなく暑くなるだろうから、

ジャケットを羽織る必要はないと、思って給水と軽くバナナなど食べて、エイドを出発しようとしたところ、外はいつの間にか雨が降り始めていた。

霧雨くらいならと思ったが、これはけっこう降る感じ?

取合えず、やはり着るかと、トレランジャケットを羽織って、再度エイドの出口へ向かいスタート。

直ぐにちょっとした急登があったがその後緩やかな登りと下りの連続。この区間は杓子山の下まではそれなりに走れた記憶があったので、

汗をかくことで余計な体力を消耗したくないため、着たばかりだったが、やはりジャケットは脱ぐことにした。

そしてそれなりに気持ちよく走りながら、杓子山の入り口に到着。

さてさて今年の杓子ボスはどんな感じになるか?

すると、少し行ったところで渋滞。まぁ、去年もここも渋滞していたので。。

しかし、ん?30分経っても全く動かない。どうなってんだ? 20mくらいしか進んでないぞ?

昨年は夜だったから景色が分からなかったが、今年は周りが良く見える。そして全く動かない。

この杓子山の上の少し垂直な岩をよじ登っていく構造の場所が3カ所ほどあり、それをつなげている踊り場のような場所がとても狭いため混みあうのは分かるが、

ほとんど動かないどころか全く動いてない。崖にしがみついている人たちが海外選手なのか写真を撮っている。

えっ。。おいおい。。まさかそれで渋滞になっているのか?

なぜに前にすすまない??そこで止まっている?となる。

そこで渋滞で待たされている間に、頂上近辺でもあるため、風も吹き付け、気が付いたらまた雨も降ってきている。

やむを得ず先ほど脱いだジャケットをまた羽織り、そして人生初めて必携品の防寒用兼用の防水パンツまで履く状況。

(必携品役に立つことがヘッドライト以外であることを実感!)

とにかく寒く、そしてこのボーっと突っ立っている状況により、なんと急に睡魔までが呼び寄せてしまった。

しかし、待っている間に当然周りの選手もどうなっている?など、皆さん言い始めていたため、なんとなく周りと話し始めて

どんなレースに出ている?

このレースは何回目か?

昨年も出ていたの?など、同じ目的を持っている者同士すぐに打ち解けて色々話をしているうちに1時間30分近く経ってようやく岩場をクリア、

杓子山の頂上へ尾根伝いにすすみ、杓子山頂の“天空の鐘”を鳴らして、記念撮影。

さぁて、ここで一気に好きな下り!突っ込んで行くぞと思っていたが、上着などは追っていたが、一度冷めてしまった身体が思うように動かず、

下りなのに全く前にチャージできない。

昨年は個々の下りから富士吉田のエイドへ続く林道の区間の6キロくらいを1時間ほどで下りきった記憶があったが、

去年のような躍動感で下れず、なんか微妙な気持ちの中一応は何人も下りでは追い越していく。

そして林道!しかし前にプッシュできない。。

5分ほど走っては2分ほど歩き、また5分ほど走っては2分ほど歩きの繰り返し。

この霜山が厳しいのが分かっているのでこの林道で少しでも貯金作らなければいけないのにと、

思いつつもゆっくりしか走れずなかなか前にすすまない。

しかも林道で昨年はなかった下りで抜いた人たちに再度次々と抜かれる羽目に。

時計を見てみると昨年に比べて30分近く遅れ始めていた。(うーん。杓子山の渋滞恐るべし。。)

このあとのロード、霜山、そしてその後のロードを考えると挽回はかなり厳しい。

下手したら18時間も超えてしまうかもしれない。

やばいそういえば帰りのバスの予約時間18時だったような、次の時間に変更できるかなぁ~。

上で大渋滞のポイントにいたボランティアの人たちがこの渋滞問題で本部が協議に入ったとか言っていたから、

富士急さんのバスも予約時間無償で変更してくれるかなぁ~と、つまらないことを考えて気を紛らわしながら、走っては歩きを繰り返し、

200mくらい前の方で同じように歩いたり走ったりしている人を見つけ、あの人に追いつくように少しでも走る時間を長くしたりして、

やっと最後の富士吉田エイド到着。ここまで約50.8k。やはり昨年より30分ほど遅れ始めていた。



しかし、ここはやはりエイド名物吉田うどんを頂かないと!ということで“吉田うどん”を頂き、

スタートから飲み続けてきた麦茶をすべて飲み干し、

アミノバイタルのスポーツドリンクに変え、エネルギージェルを2つ摂取し、エイドをスタート。

ココから長いロード。たかが4キロほどの普段なら何でもないロードがとても長く感じる。

昨年は4人くらいでなんか励ましあって走り切ることができたが、今年は途中で抜く人はいても一緒に走るような人がいなく、ロード一人旅に。

途中、歩いたり走ったりを繰り返しながら、霜山の入り口到着。

霜山入り口手前にて自動販売機を見つけ、麦茶購入。

さぁ~霜山のラスボスかかってこい!

ここまですでに4分の3以上制覇!あと15kほど。

よし、と登っていく。とにかく休まないでファスト トレック!キツイ!

しかし、前に前に行くしかない。極端な話あと15kなんてどんなにかかっても3時間もしないで終わってしまう。

ここからは、とにかくこの時間を楽しんできつい時こそ笑顔でいくぞ!

何人かの人たちを抜きつ抜かれつ繰り返し、ここやはり長いよなぁ~とおもいつつ1時間ほどすすんでいると、

途中で、抜いたり抜かれたりした、同じくらいの走力の方たちと話したりしながら、前へすすむ。

上の方でカウベルの音!頂上が近いぞ!と思ったところ、残念です、あともう少しで頂上だからガンバ!

ボランティアさんたち恒例の霜山“偽”頂上応援グループに今年も騙され(笑) 笑顔で応援いただき、よしあともうひと踏ん張り。

そして進むとココからほんとうに下りです!と別のボラが。。。

そして、今年もそこでかかっている運動会の名曲“D.B.カバレフスキー/組曲「道化師」 第2曲 ギャロップ”くったくたでこの曲を聞かされると笑えます。

頑張って走れって言われても。。。(笑) いえ歌詞ないから、走れなど言ってません。

しかしこの曲聴かされると走らされる気が。。(笑)

この曲の選択。。このエリアのボランティアは最高です(笑)

そして、もう登りはないですよと相変わらず、平気でうそを言うボラ(笑)

無い訳ないやん!まだ微妙な連続した丘3つあるわ!と心の中でなぜか下手な関西弁で突っ込み!

そして、狭いシングルトラックの下りを駆け下り、やっぱりあった山とは言いづらい新倉山の小高い3つの丘。

微妙にキツイ木の階段をあがり、そこからが下ってあとは1キロほどでトレイルは終わる。

あとはロードのはずだった。。富士急ハイランドを過ぎていくと、ロードという名の未舗装路。

おいおい。これって砂利道でもあり、林道と言ってもいいし、これってトレイルでは?そして思っていた通りに緩やかに登る。

ここにきてロードわずかの上りがずっと続く、、しかし、ボランティアがあと3キロ。。

いや違う。絶対に3キロなわけない。なぜなら、私のガーミンウォッチがまだ65キロまで行ってない。あと4キロ以上ある。

もうどうにでもなれって。あと1キロ10分かかっても45分で終わってしまう。

そう思ってゆっくり行くか、それとも根性出して走れるだけ走っていくか!。。結局走ったり歩いたり、それでもキロ8分くらいで行こうと。

富士急超えたら、ほぼ早歩きの世界(笑)

そして、やっと出てきました残り3キロ。やっぱりさっきの、うそやん!(笑)

まぁ残り楽しもうどんなに頑張っても17時間は切れないのは見えた。あと3キロを10分以内で??

それを出来るのは、各国のトップアスリート。。例えで言うと、日本だったら大迫選手、世界でしたらキプチョゲクラスのワールドクラスでないと。

しかし、この時間なら急いで身体を拭いて着替えて、予約しているバスに乗れる!

よし、残り3キロ18分くらいでいくぞ! しかし脚におつりがない。。

結局28分かかったが北麓公園にあるスタジアムに入り、ゴールがスタジアムの中という感動の経験を味わうことができた。

ゴール前の両側のボランティアや観客とハイタッチをするのを忘れてしまったのが残念だが、ゴールテープを持ち上げて、

2年連続完走の感動のゴール!去年はかなりグッとくるものがあったが、

今年はすぐにゴール地点にいた大会プロデューサーでレジェンドの鏑木さんに完走おめでとう、お疲れ様と言われながら、

僕はありがとうございます!とハイタッチ!

ゴール前でフィニッシャー撮影!そして完走メダルを頂きました。

知人で現在仕事も絡んでいる日本トレイル協会の理事でTHE NORTH FACEアスリートの某選手を見かけたが、

仕事中のようだったので声掛けずに着替えに向かうが、

今大会初の試みのキッズ大会のプロデュースをされており、尚且つ100mile走った後にそのイベントの表彰式などやっている。。

ホントにすげぇー体力だぁ~とまたリスペクト。

私は、タオルを濡らして身体を拭き、デオドラントタオルで更に拭き、全て着替えてバスの確認。

18時30分発! よし今18時。。30分前に完了。間に合った!

時間勘違いしていた。。18時30分だったんだ。。

そして、バスの乗車場に向かい、バスに乗車。着席後目をつぶった瞬間、次に気が付いたのはと新宿のバス降車場所。。

爆睡だった。(笑)

新宿駅からJRで最寄り駅まで戻り、21時。この時間に帰っても何もないだろうなぁ~と。

元々、明日になるかもしれないと奥様には伝えていたので、駅前の中華でラーメンと半チャーハンを食べて帰宅。

奥様もあれ帰ってくることできたの?バス間に合ったの?と、はい。間に合いました(笑)

バックから服など取り出し洗濯機に入れ、その間にお風呂をため、ざぶーん!

ゆっくり浸かって我が家の極楽湯でした。



2年連続完走できたが昨年に比べてタイムも順位も大幅に落としたのは完全に練習不足。

走り込みが昨年に比べて今年この3か月だけでも150キロ近く少なかったのが原因かと。



しかし、今年走り切れたのは、走り始めてこの2年10か月の走行距離(約5200キロ)の貯金だけだったと思う。

来年は上のカテゴリーに挑戦するため、仕事も忙しくなってきている中でこの一年、両方をどう両立させ、どう時間を使うか?

仕事もランも楽しんでできるように頑張りたい!

何気なしに始めたTrail runningやFun runで、心配させてしまっていますが、

色々と協力してくれている我が家の奥様には本当に感謝していますと一応ここに記しておきます。(笑)

来年は、この2年出場したKAI70kから参加基準のPOINTが溜まっているので

Mt. FUJI100mileの抽選し、参加挑戦できるように頑張りたい!

その前にいくつか100Mileまで挑戦するレースを考えていると眠れなくなる!(笑)



ちなみにこの日自宅に帰宅後、前々日の体重を図ったときに比べて、ラーメンと半チャーハンを食べていたにもかかわらず、

4.2キロ落ちていました。(57.3k)



最後までお読み下さり、ありがとうございました。



少しでもTrail runningの楽しみが分かっていただけたらと思います。



乱筆乱文、大変失礼いたしました。
 

著者:坪内 章雄(合同会社プレヌスツアージャパン)

掲載日:2024年05月10日