Voice 日々雑感・妄想
トラベル懇話会の事務局より2回目となるVOICE原稿の執筆依頼をいただいた。何を書いたら良いか考えたがとんと思い当たるものがない。困った。長年勤めた仕事から離れてのんびりと過ごしたこの数年で頭がさびつくとともに、新たな業務関係の知識や体験もない。仕方ないから最近感じていることや妄想などを雑文にまとめるしかないとの結論に至る。

後期高齢者という言葉は好きではないが、その一員となって一年余を経た今でもたくさんの友人や仲間に恵まれていることは、私にとって何ものにも代えがたい宝ものであると感じている。趣味の旅行、ゴルフ、山歩き、スキー、酒場巡りなどなど、業界内外の実に多くの方々のお付き合いをいただき、日々、飽きることなく忙しい時間を楽しめることは、これほど幸せなことはない。これらはひとえに健康あってのことであるが、まずは健康体を授けてくれた今は亡き両親、学生時代にシゴキ(?)で体力をつけてくれたクラブの先輩、そして現在の体力維持に付き合ってくれている多くの皆さんに感謝です。

かのゴルフ界の球聖ボビー・ジョーンズは「人生の価値は、どれほど多くの財産を得たかではない、何人のゴルフ仲間を得たかである」との名言を残していますが、どの分野においても同じことが言える。様々な分野で多くの仲間を得た私は、まさに幸せものであると勝手に思い込んでいる。妄想ついでに触れると、好きなゴルフでエイジシュートの達成を夢見ているが、さすがにこれは無理。100歳まで現在の体力を維持、プレーを続ければごくわずかな可能性はあるだろうが。山歩きでは仲間の協力によって3000m超の高山にも登りたいと思っているが、高齢者の遭難報道に触れるとちょっと腰が引けて迷う私がいる。

妻からは「年金生活者がこれほど好き勝手をやっては生活が破綻する」との苦言を受けているが、「病気になってその治療にお金を払うよりよほどマシだろう」と居直っている私も、実は心の中でひそかに活動レベルの見直しを考えている。贅沢な悩みとのおしかりをいただきそうだが、私にとっては現在の最も大きな課題でもある。とは言いながら、体力と財力が続く限りやりきるなどと、不可能かつ不埒な考えも放棄できない私がいることに呆れる。このような能天気な私もある意味で幸せものかも知れない。

トラベル懇話会ではシニア会員として皆さんと共に勉強や活動、そして懇親の機会を頂いていることに感謝。いまだに行事研修委員会の一員として活動に携わり、定例会や様々な行事、懇親会に参加できることが楽しみでもある。広く観光関連業の皆さんが集まった本会はまさに業界を代表するものであり、情報共有や懇親の機会を得られる特別な会であると思っているが、そろそろ潮時かなと思ったりもする今日この頃。いまだに妄想を抱き、身の丈を超えた活動を夢見たりしている己に呆れることも多い。ともあれ、当会のますますの発展と活躍を祈念して雑感・妄想の締めとさせていただきます。

著者:井上照夫(シニア会員)

掲載日:2023年08月16日