Voice 怖いウイルス
「怖いウイルス」

ウイルスは本当に怖いです。
と言っても、渦中のコロナウイルスのことではなく、コンピューターウイルスの話です。

先日仕事中、会社のメールアドレスに「同窓会のお知らせ」というタイトルのメールが届きました。

「山下さん 
ご無沙汰しております。さっそくですが、この度、同窓会を開催する運びとなりました。
久しぶりに昔の気分に戻って、みんなで楽しめればと思います。
詳細は添付ファイルをご確認いただき、出席可能な方は返信をお願いいたします。 佐々木」

友人と会って飲んだり食べたりすることが大好きな私は、「いつだろう?場所はどこかな?空いている日だといいな・・・」とワクワクしながら添付ファイルを開けようとしたその時、ふと手が止まりました。
佐々木ってたくさん知り合いがいるけど、どのササキだろう?なぜ名字しか書いていないの?どの時点での同窓会??もしかして、、、これが噂の「標的型攻撃メール?!」
怖くなって、そのメールを即削除しました。

そのメールに添付されていたファイルにウイルスが含まれていたかどうかわかりません。しかしながら、実は私たちは毎日のようにこういったサイバー攻撃に晒されているのです。

ウィキペディアによれば、コンピューターウイルスとは、「感染先のプログラムファイル(『宿主』と呼ぶ)の一部を書き変えて自分のコピーを追加し (感染)、感染した宿主のプログラムが実行された時に自分自身をコピーするコードを実行させることによって増殖していくというもの」と定義されています。

身に覚えのないメールが届き、そのメールに書かれたURL(インターネットサイトのアドレス)にアクセスしたり、添付ファイルを開いたりしただけで、マルウェアと呼ばれる不正なプログラム(これがウイルス!)に感染してパソコンやスマートフォンが乗っ取られてしまいます。パソコンがウイルスに感染すると、突然パソコンやソフトが動かなくなったり、画面上に意味不明なメッセージが表示されたり、ファイルが勝手に削除されたりします。さらには、ウイルスが含まれたメールが勝手に送られてしまったり、パソコン内の個人情報が盗まれてしまったりします。

他にも、感染するとパソコン内のファイルが暗号化され、身代金を支払わないと元に戻せないという「身代金ウイルス」と呼ばれている「ランサムウェア」というウイルスや、取引先や知り合いなど実在の組織や人物に巧妙になりすまし、添付ファイルやURLリンクを埋め込んだメールを送りつける「Emotet(エモテット)」というウイルス等があります。また、最近では新型コロナウイルス騒ぎを悪用した「マスク無料配布します」というタイトルのウイルス付きメールが送られてくるケースも確認されています。

実は、私たちは毎日のようにこういったサイバー攻撃を受けているのですが、あまりに巧妙なため完全にこれらを排除することができず、ウイルス付きのメールを受け取った当事者も、冒頭でご紹介した私の事例のように、正当なメールと信じてしまうこともあるようです。

トラベル懇話会のHPも標的になりました。某電機メーカーが第三者から不正アクセスされ、個人情報や会社の機密情報が流出してしまった事件も記憶に新しいです。一度情報を流出させてしまうと会社の信用を失ってしまうことにもなりかねません。場合によっては顧客への損害賠償や、ウイルス感染したパソコンを復旧するために多額の費用を要することもあります。

特に今は新型コロナウイルスで日本中が混乱していますので、その混乱に便乗して、私たちがコロナに気を取られている隙に不正アクセス攻撃される恐れがあります。
是非、このタイミングで改めて気を引き締め、従業員の方々に注意喚起をしていただくことをお勧めします。

著者:山下真粧子(東京海上日動火災保険株式会社)

掲載日:2020年03月11日