Voice ポストパンデミックの旅
コロナの影響も和らぎ、マスクなしの生活が戻りました。
だからと言ってコロナがなくなったわけではなく、これからも感染対策は必須です。
インバウンドの順調な回復見ていると、この3年間の困難を忘れそうになりますが実際は企業収益大きく下げただけではなく、人の物の考え方、生活の仕方も変えた3年間と言ってもいいでしょう。デジタル化が進み、旅行の紙パンフレットも少なくなりました。

私ごとになりますが、出張がスタート、個人的な旅行もするようになりました。
業界誌などを読むとインバウンドの順調な回復に比べてアウトバウンドの回復が遅れ
海外旅行誘致の記事が多く見られます。有事があった時の日本人のアウトバウンドの回復スピードはいつも遅く、過去の湾岸戦争、9・11など海外の政情不安で実証されています。今回は全世界中のパンデミックの残像、飛行機の座席供給の不安定さ、海外の物価の高さ、そして、もし、海外でコロナに罹ったら・・・という漠然とした不安。これらが重なって回復が遅れているのは自明の理です。
さて、海外旅行を盛り上がらせるのは何が必要なのか・・・。

コロナ前は旅行と言えば国内外の出張が多く、個人的な旅行はあまりしていませんでしたが、全国旅行割などを利用して家族と国内旅行をすることが増え、日本国内に素晴らしい観光地があることを再発見する良い機会になりました。
遅まきながら北は北海道から南は沖縄まで、Discover Japan(古いですね)!
まだまだ知らない国内のDestinationに大きく興味をひかれているところです。そんな日本人が多いのだろうなと想像できます。

海外旅行をしていた人が国内もいいところがあるということを認識しはじめました。
私としても海外旅行の復活は気になるところではありますが、今回はかなり重症です。過度な円安からの脱却、ウクライナ情勢の好転での空路の安全と以前通りの航路の確保によるフライト時間の短縮、燃油の安定供給などグローバルな問題の取り組みが必要になってきます。それがあって初めて海外旅行復活のベースが見えてきます。つくづく、旅行業は平和じゃなければ成り立たないと思うこの頃です。

以前のようなトラフィックに戻ったら念願のエジプトに旅行したいと思っています。
何年先になるのでしょう。老人になる前に行きたい・・・早めに回復するよう業界で
頑張っていきましょう。
それにしても前向きに考えれば、コロナ中に国内の魅力を知りえたのも大きな収穫でした。

著者:池田正人(株式会社オークラニッコーホテルマネジメント)

掲載日:2023年08月03日