Voice きっかけづくり
新型コロナウイルス感染症の位置づけが2023年5月8日に2類相当から5類へ移行され、
海外旅行需要回復の足かせになっていた残る規制もようやく従前の条件に戻りました。

直前のゴールデンウイークでは国内旅行が活況との事で、会員の皆様もどこかにお出かけになられた方も多かったのではないでしょうか? 個人的には各情報番組での渋滞情報のオンエアをしばらくぶりに視聴する機会が増え、ようやくコロナ前に姿にもどりつつある事を嬉しく感じる一方で、海外旅行事業については解決すべき課題と日々向き合い奮闘している日々が続いております。

そんな状況の中5月14日に4 年ぶりに開催された天下祭「神田祭」を特別観覧させて頂く機会を頂き、
祭りのクライマックスの一つである約200基の神輿が宮入する様子を間近で体験させて頂きました。その際に改めて感じた事を皆様に共有をさせて頂きます。

ご存じの方も多いかと思いますが、「神田祭」は例年約30万に人出と言われる日本三大祭りの一つ、当日は夕方から一時雨模様の生憎の天候にも関わらず、公表値は未発表ではあるものの例年と変わらない人出で、ノーマスク+声出しOKの中、大変な盛り上がりを見せていました。恐らく神田明神関係者様をはじめ、地域自治体関係者・スポンサー様等々は相当な準備をされての開催かと思いますが、開催期間にあわせたメディアを有効に使ったプロモーション等あり、期間中の参加者増には大きく貢献していたのではないかと推察します。何より当日参加をされている全ての方々がこれ迄のコロナ渦に見られなかった笑顔で包まれ、苦しく厳しい時期を乗り超え明るい未来に向かう活力で溢れており、自分も元気をもらったような気がしております。

一件コロナが収束してきているこのタイミングでは当たり前のような話しですが、実際は神田祭という一大イベント再開をトリガーに、消費者心理そしてステークホルダーも大きく動かした一例ではないかと個人的には考えています。

一方でポストコロナ渦での海外旅行復活に向けての現状を振り返ると、それぞれが厳しい経営環境化の中ではあるものの、消費者目線で見た場合渡航を後押しするような「きっかけづくり」に関しては、弊社も含め業界全体ではまだまだ不十分ではないかと痛感させられました。又観覧されるお客差の中には多数の外国人旅行者もおり、更に関心をさせられたのはそのINBOUNDのお客様をターゲットに神輿を担げる体験型のサービスを商品化、外国人観光客に伝統祭の神輿宮入体験を提供する試みは、まさに新たな需要を掘り起こす「きっかけづくり」の一つではないかと思います。

無論海外旅行の復活の為には上記以外にもまだまだ多数残る課題をブレイクスルーしなければなりません。
しかしながらこのタイミングでは外的要因ばかりにフォーカスするのではなく、この状況化の中でも消費者の方々が海外渡航を前向きに検討して頂く「きっかけづくり」を改めて見直してみても良いのではないでしょうか?

私見的な発信になり大変恐縮ですが、
海外旅行復活に向けたひとつのヒント「きっかけ」になれば幸かと思います。

著者:福井 茂(株式会社ミキ・ツーリスト)

掲載日:2023年05月22日