Voice ウィズコロナでの旅行の再開に向けて
各国の開国が進んできて、本格的な海外旅行再開までいよいよもう少し!というムードが高まってまいりました。
弊社は東南アジア専門のランドオペレーターなので、他の地域の情報には少し疎いのですが、東南アジアの国々にとって観光業特に外国人のインバウンドについては国の主要な収入源であり、日本に先駆けて開国が進んでいます。
コロナ禍で海外に自由に往来が出来なくなって約2年半が過ぎようとしていますが、色々な事を思い、考え、過ごしてきました。勿論まだ実際には、後どの位平常に戻るまで時間がかかるか分かりませんが、大変な事ばかりでしたが、この期間に色々発見した事・気づいた事も沢山ありました。逆に立ち止まって考える時間が出来たことは良かったのかもわからないと考えています。
コロナ禍以前の旅行業界も著しい変化が起こってきていましたが、コロナで更に時代の流れが加速する様に感じます。オンライン化が促進され、旅行形態の多様化が益々進んでいくのではないかと感じています。
この2年半は今やるべき事として、新たな事業も開始しましたが、それと同時に既存業務のやり方の見直しを考えてきました。社内インフラの整備(システム化)による業務効率の改善と働き方改革です。システム構築する為にITの会社と話す機会が多くありました。その中でIT業界は料金を決定する要因はそのシステムやソフトを作るのにどれだけ人を動員したか、工数という単位を用いられます。正直我々にとっては良く分からないし、釈然としない部分も多い事も事実でした。旅行業界で考えると、提供されるサービスを代理で手配し、それを基準に手数料を得るという仕組みでした。しかし実際にはそこに至るまでに様々な情報を収集・発信し、ツアーを造成するまでにも上記のIT会社の様な多大な工数がかかっているという意識が薄かったと思います。
一方で今ウクライナの問題や欧米諸国と日本の金融政策の違いなど様々な要因から、円安・物価高が問題になっています。しかし日本はこの数十年デフレで物価が上がる事=悪い事というのが浸透してしまっていて、値上げするのは苦渋の決断、原価が上がるのでお許しください。という企業側のスタンスがあるように思います。しかし実際には我々が拠点を置く多くの海外の国では年々物価が上がっていくけれど、その代わり所得も上がっているので、物価上昇は当たり前の事として捉えていると感じます。
業界で働く人皆がハッピーになれて、この業界で働きたいという若い人材が増えるような施策を実行していくべきではないかなと強く感じております。その為にはこの機会に自分たちも変化する事の必要性を改めて感じました。既成概念にとらわれず、多様化するお客様の要望にお応えしサービス内容に満足して頂き、適正な対価を得て、それによって働く人たちも達成感と同時に努力と成果に応じた待遇を得られる様、またライフワークバランスを考えて皆が心身共に健康な生活を送れるような会社にしていきたいと改めて感じました。個々の企業や旅行業界の発展の為には、既成概念にとらわれず変化していく事を恐れず、今こそ業界全体の働き方を改革していく事が、業界の発展に大事ではないかと感じています。

著者:藤森 博文(エス・エム・アイ・ホールディングス株式会社)

掲載日:2022年06月23日